庶民

田原総一朗の政財界「ここだけの話」
「後期高齢者」で不満再燃 なぜ福田内閣は支持されないのか


> 新聞の論説は「武藤総裁案をはねた民主党の方が間違っている。福田内閣は正しい」と論じた。だが、一般の国民は、民主党に反対される武藤さんを選び、さらにまた同じ旧大蔵省出身の田波さんを選ぶなんて何を考えているんだ、福田内閣は何をやっているんだと思った。
> せっかく下がったガソリン税を、また衆議院に戻して「3分の2」を使って通すなんてどういうことだ、と多くの国民は考えている。国民は道路を作ることよりも、身近なガソリンの値段を下げてほしいと考えている。
> 国民が福田さんに不安がある点は、新聞が福田さんで安心している点でもある。小泉さんも安倍さんも何をするかわからなかった。そういう意味では、新聞にとって福田さんは慎重で安心できる総理大臣なのだ。だが、国民は何かやってくれそうな危なっかしい小泉さんに熱狂した。新聞は福田さんの「慎重さ」に安心しているが、国民はこれに不満で、不安なのだ。
> 新聞の論説は、長期の見通しで福田内閣の政策をとらえようとしている。一方、国民は短期で考える。最も目先の事柄だけでイエス・ノーを考えるのがワイドショーだ。ある意味では、新聞の社説とワイドショーが今は正反対になっていて、多くの国民がワイドショーのコメンテーターの意見に左右されるようになってきているのだ。
> 新聞の中でも、論説と社会部の記事が食い違っていることが多い。テレビも、報道とワイドショー番組で意見が食い違っていることが多い。さらにそこにインターネット、ブログなどの情報も加わっていく。そうなると、長期の慎重な情報よりも、短期の感情的な情報の方が国民を支配しやすい。
> 高度情報化社会になって、情報が溢れている。情報が氾濫すればするほど、より正確な情報をつかめるはずだったのだが、氾濫の中でどういうものが正確でどういうものが不正確かわからなくなってしまった。人々は情報洪水の中に溺れそうになっている。
> 本当は日本の状況を冷静に見ないといけない時期なのだ。今こそ、様々なメディアが流す情報の中から、何が本質的な問題で、何が表層的な問題なのか、それを読み取り判断する力、情報リテラシーが求められているのだ。

田原さんは、ウェブサイトやブログなどで素人の意見が簡単に発言されるようになって主要情報源がテレビ・新聞・ネットの3極になり、新しく出現したネット系の情報で信頼性が著しく低下してしまい、国民の多くが短期的で大衆迎合的に、もっと分かりやすく言えばワイドショー的になってると見てるようだけど、かなり勘違いしてるんじゃないかな?


単純に言って、現在の国民の大半は現状の「粉飾偽装行政」に怒ってるんじゃないのかな?


小泉さんが何をやったかと言えば「構造改革」「改革には痛みが伴う」の掛け声と共に、庶民など「持たざる者の暮らしを破壊」して「大手メーカー、高所得者、官僚などはそのままにするか、または優遇」した。


昨年の参議院議員選で民主党が大躍進した。確かに安倍さんのゴタゴタが大きかった部分があるけど、根本的な部分で国民はこの「偽装構造改革」に怒ってて、今もまだずっと怒ったままなんじゃないかな?


だから、日銀総裁は「民主党に反対される」からじゃなくて「大蔵官僚の天下り」だから反対で、ガソリン税は「高い税金をむしり取ってばらまく」のは止めて「苦しい庶民の暮らしを助けて」ほしいと願い、「以前よりも確実に酷くなってしまった政治」やその枠組みを慎重に続けるのは止めて「少しでも国民の方を向いた政治を」してほしいと願っているだけなんじゃないのかな?


自民党議員の河野太郎さんがよく自身のブログの中で「母屋でお粥、離れですき焼き、別荘でフランス料理フルコース」って言ってるけど、さらに付け足して「町の庶民は稗と粟」っていう状態だから、これを怒るなって言う方が無理なんじゃないのかな?


現在の大きな3つの極の中では「新聞が一番信頼できる」と思ってるみたいだけど、現状の状態になって一番良かったことっていうのは「新聞も信頼できない」のが明確になったことなんじゃないのかな?


小泉さんが首相だったとき、どんなメディアがどんな論調だったかな? 新聞は? 雑誌は? テレビのニュースは? ワイドショーは? 田原さんは? ウェブサイトは? ブログは?


少なくとも新聞、雑誌、テレビといった主要メディアが小泉さんの「構造改革」の中身を的確に報道してこなかったことだけは紛れもない事実なんじゃないのかな?




 小泉政治の正体:真の改革者か稀代のペテン師か