日本のインターネットが終了する日

高木浩光@自宅の日記 - 日本のインターネットが終了する日


・今年3月31日、NTTドコモiモードが、契約者固有ID(個体識別番号)を全てのWebサーバに確認なしに自動通知するようになった*1。このことは施行1か月前にNTTドコモから予告されていた。
iモードID通知設定は、お客様の利便性を考慮し初期設定については「通知する」設定となっております。通知を希望されないお客様は「通知しない」に変更していただく必要があります。
・2007年になって転機が訪れた。総務省の「モバイルビジネス研究会」が、「ユーザIDの利活用の推進」を掲げたのである。
・どうやら、平成19年度中という区切りで、契約者固有IDの全サイトへの送信というのが、「日本のケータイWeb」の「標準仕様」となったようだ。
・HTTPのリクエストヘッダに何らかの識別情報を送信する必要性があるのはわかる。
・ただ、その目的のためであれば、常時同じIDを送信することは必要ではないことに留意しておきたい。
・この調子で進むと、最悪のシナリオが訪れるおそれがある。
・この調子で、何年か後には、「PCもケータイWeb同様に固有IDの送信を義務づける」という法案が浮上するかもしれない。
・「PCもケータイ同様に!」という勢力に対して、ID送信の何が問題で、どうしてインターネットではそれをやってはいけないのか、いつでもすぐに30秒で説明できるよう、構えておかないといけない。
・その人は続けて、「IPv6だって、MACアドレスを含むIPアドレスが一人一人に付き、アクセス先に通知されるようになるんです」とも言った。それは生半可な知識に基づく誤った理解だ。
・まさにそういう設計はプライバシー上許されない欠陥であるとして、1999年に批判が巻き起こり、RFC 3041という解決策が作られて、そうはなっていない。
・あまり高度な仕組みを作ろうとすると実現しなかったりするので、もっと単純化した落とし所を考えておくのも重要かもしれない。
・たとえば、フィルタリング事業者が、Proxyサーバフィルタリングサービスを提供している場合に、認証付きProxyとした上で、ホワイトリストでフィルタリングから除外する健全コミュニティサイトに対してだけ、ユーザIDを送信するというアイデアが考えられる。
・日本のケータイWebが今やっていることは、まさにIntelがPCの世界でやろうとして潰されたことである。
・嫌なことは嫌だとちゃんと普段から声をあげるようにしていないと、ある日突然、議員立法で日本だけインターネットの世界を変えられてしまうかもしれない。
IPv6のプライバシー問題は既に解決済み
・第一者cookieと第三者cookie
・第三者cookieは使われなくなりつつある
・第三者cookieを超える「スーパーcookie
・個体識別番号送信のリスクは広告被害だけではない
・無視していられるためにはまず住所氏名を相手に特定されないようにしている必要があり、そのためには、契約者固有ID(個体識別番号)を送信してしまうようなケータイWebを使わないようにするか、使う場合には、ネットショップにさえ住所氏名を明かさないよう注意せざるを得ない。


知らない間にこんな事になってるなんて、ほんとメチャクチャ...


空恐ろしいことばかりの今日この頃... 特に1984の世界に向かって驀進する日本の姿は本当に異常... やっぱ中国以上に異常なんじゃないだろうか? この国って...