先物バブルの可能性

現在の世界的な市場の乱高下ってのは普通の状態なんだろうか?


債券、国債、株式、投信、商品先物など様々な市場があって、そこに様々な国の様々な人々の思惑が絡み合い重なりあって形成されていく経済市場のことって難しくて全然分からないし、サブプライム問題があって信用不安を煽る人がたくさんいることもあるんだろうけど、でもそれだけじゃなくて穀物価格を始めとした食料の高騰なんかがあって日本の現状は明確なスタグフレーションなんじゃないのか?と思ったりするけど、それを明確に指摘する人はあまり見かけなくて...


でもサブプライム問題が明確に表面化して、金、コーン、小麦、原油、米、株式、通貨などといった様々な市場が通常と比べて明らかに乱高下してるのは誰の目にも明らかなのに新聞やWBSがこの現状を詳細に言及することもなく、何となく、良くは分からないけど現状っていうのは一種のタブーな状態に陥ってるんじゃないんだろうか?とか思ったりして、もしかして世界的に繰り広げられてるこの壮大な相場の現状が投機一辺倒だったりした場合うまく収束する可能性なんてあるんだろうか?などと考えている自分が変なのか?などと思ったりもした。


「コモディティ(商品)バブル」の可能性を検証する|山崎元のマルチスコープ


サブプライムの反省機運も何処へやら、またぞろバブル過熱の懸念が高まっている。今度の舞台は、言わずと知れたコモディティ(商品)市場だ。
原油価格でいうと、ここのところの上昇ピッチがあまりにも急だし、5月22日に135ドルを付けて同日に130ドルまで下がる、というような荒っぽい値動きには、「さすがに、少しおかしいのではないか」と心配になる。
・詳しくは後述するが、昨年来、商品価格の高騰ぶりには大いに不安を感じてきた。投資家のあいだに、あたかも「商品は別だ」という風潮が広がりつつある点が不気味だし、実物的というよりも金融的な資金が急激にコモディティ市場に流入していることも不安要因だ。
・商品価格はフェアバリューを計算することが難しいので、株式や不動産よりも「バブル」を確証することは難しいのだが、バブルの存在を示唆する状況証拠が複数登場している。
・制度改正後は、投信から資金が商品先物相場に直接流入することになる。
原油で言えば、短期間で130ドルを超えたと騒いでいるこの時期に、日本では制度が改正され、商品関連のプロダクトが新たに出て来るというのだから、何やら不吉なタイミングの一致だ。投信業界のためには、新しい制度を利用した商品のスタート時期まで原油高騰が続いているといいが、投資家にとっては、そうした状況での投資が有望だとは申し上げにくい。
・商品相場でのポジションを取るということは、「そこにある価格が間違っていますよ」とばかりに、反対のポジションを取る人を利用して、賭けを挑むことを意味する。生産への参加ではないから、リスク負担に見合うプラスのリターンが期待できるという代物ではない。基本的には、ゼロサム・ゲームだ。もちろん、ヘッジとして機能しうるということは、同時に投機にもなりうるということだ。
・バブルは、しばしば、景気変動のような実物的な要因よりも、金融的な理由によって起きているのではないだろうか。新しい金融テクノロジや、金融プロダクトは、リスクの存在を分かり難くして、そのリスクに関する取り扱いのミスを引き起こす。そして、やがてはバブルを起こして、次にその崩壊を導くことが多い。
・今回もし商品バブルを食い止めようとするならば、最後の手段は、金融引き締めしかない。しかし、金融引き締めは、ことに現在のような状況では、実物経済にショックを与える可能性が大きい。すると、また金融緩和が行われて、今度は別のバブルが起こるのだろうか。
・この種のあまり賢くない連鎖が延々と続くのだとすると嫌気が差すが、強欲をエンジンとしてこれにギアを噛ませて拡大する経済メカニズムに対して、「ほどほど」を求めることは難しいことのようだ。


最後の二言で凄く納得できた。考えていたことの大半がそれほどおかしな考えじゃなかったことも理解できて良かった。山崎さんのコラムにはいつも助けられる。