カタチ


米アップル、09年でマックワールドから撤退 CEOの基調講演もなし 国際ニュース : AFPBB News


Jobsの具合はやはりあまり良くないってことだろうか?


それともこの世に高品質なパーソナルコンピュータというものを浸透させるためのエヴァンジェリストとしての役割は果たし終えたということなのか?


どちらにしてもMacファンにとって実質的なJobsの引退として捉えられる今回のマックワールド撤退の報は寂しいことこの上ない響きを持って心に響いたんじゃないだろうか。


数多くの紆余曲折を経てAppleという会社は本当に大きな会社になってしまった。


Appleが生み出したパーソナルコンピュータという思想は今や当たり前で当然のようになってしまい、すでにiPhoneのような現在形ではもっとも身近な形のコンピュータデバイスとして次世代のRealtime Networking Personal Computerとでも呼ぶべきカタチとして結実している。


このカタチが今後iPhoneのようなカタチを主流として移行するのか、それとも広域のWi-FiWiMaxに支えられたiPodTouchのようなカタチを主流として移行していくのかは分からないけれど、パーソナルコンピュータという思想とともにこの業界の発展、特にUser Interface (UI)に関してアップルが果たしてきた貢献には計り知れないものがある。


Jobsは最後にその自身が全身全霊を傾けてきたパーソナルコンピューティングという哲学に対して、内部的には昔よりも遥かに複雑怪奇で手に負えないものとなりつつあるOSに対して枯れたUnixと人に優しいMacOSを融合して発展させたOSXに次世代のUIを装備して一度枯れさせることを決定し、外部的にはアルミ削り出しのMacBookおよびMacBookProとさらにパーソナルなMacBookAir、iPhoneというカタチを残した。


Jobsが引退することが決まった訳ではないのだけれど、今回の経済的な混乱の中でMacMacOSXは今後大きな試練に晒されることになるのだろうから、もしこれでJobsが最前線から退くとしたならそれはあまりにも出来過ぎと言わざるを得ないほどの秀逸な引き際ということになるのだと思う。


これまでJobsが嫌いだった訳でもないのだけれど、Appleを造り上げてきた人たちの中ではWozやAlanの方が断然好きだったし、それはこれからも変わらないと思う。でも、良くも悪くもここまでAppleに強い鞭を入れ続けて自身の傲慢なまでの強い思い入れとともにMacをひとつひとつのカタチとして結実させてきた人はJobsを置いてほかにいない。


だから一言ぐらい書き残しておきたいと思った。


天晴Jobs.